グラン・オルディネール[2020]ヴァイングート・ヴァーゼンハウス【ドイツ　バーデン　自然派　赤ワイン】

【グラン・オルディネール】（インポーターのコメント）
畑・土壌：３つの斜面の区画、二つはKaiserstuhl付近、Vulkanと同じ火山質岩盤、表土はレス（黄土）土壌。もうひとつの区画はStaufenの南、花崗岩・片麻岩土壌、表土はレス（黄土）。南東向き。
樹齢：10～25年
醸造：ステンレスタンクで10日間マセラシオン・カルボニック。破砕せず。ピジャージュせず。圧搾後、タンク発酵。その後６カ月オークの古樽で熟成。濾過・清澄・SO2添加せず。

乾燥して暑い年でした。畑のサイクルが早く収穫も早まりました。凝縮していますが酸があり、バランスが取れています。

【Grand Ordinaire】とはご存知の通り、ブルゴーニュのA.O.C.となります。直訳するならば『普通でいながら偉大』ブルゴーニュを愛する彼らならではのオマージュとなります。少し大げさでありながら気品を感じさせる言葉で、シンプルでのど越しの良いこのワインに相応しいと命名しました。

 バーデン・ヌーヴォー同様の透明ボトルだが、コルク栓。キャプスル無し。

 抜栓直後から開放的な香り、もぎたてのフレッシュなイチゴが盛りだくさん。手造りジャムを煮詰め始めた時のような甘い果実香に気分も高揚する。奥から涼しげな清涼感のあるブルーベリー、カシスに加えてわずかにシナモンのアクセント。マセラシオン・カルボニックと聞いて身構えるような果実香ではなく完熟と心地良い未熟な香味のグラデーション。

バーデン・ヌーヴォーの明るい個性に陰影の立体感が加わっている。フレッシュでビビッドな酸は決して主張し過ぎず瑞々しく喉に流れる飲み心地。果梗に由来する、とろみすら錯覚するようなストラクチャーはまさにヴァーゼンハウス節。余韻に重なるように現れる野イチゴやシナモンの香味。酸化防止剤ゼロに起因するネガティヴさは皆無。透明ボトルなので暗所管理必須。欲を言えばあと半年落ち着かせたら向上する。（2021年7月インポーターより）