パーチナ
パーチナのステーファノとジョヴァンナ夫妻。パーチナは900年代には修道院だったところで、シエナに住んでいたジョヴァンナの曾祖父が屋敷を含む60ヘクタールにも及ぶ地所を購入したのがはじまり。
オリジナルは12世紀に建てられた修道院だった建物が、増改築を繰り返して、下の写真の建物のようになりました。一番奥2-3階が彼らの住居なっていて、らせん状の階段で上がるのですが、ちょっと特殊な構造をしていたので不思議に思っていると、ステーファノが言うには、この階段の最上部に鐘が付いていたのではと。住居の中に数百年以上前の名残があるなんて凄いです。
キャンティの某有名ワイナリーで醸造家として働いていたミラノ出身のステーファノは、当時同僚だったレ ボンチエのジョヴァンナ モルガンティを介してジョヴァンナ(パーチナの。ややこしいですね)と知り合い、2人はのちに結婚します。その後、別の大手ワイナリーで醸造部門の責任者として働いていましたが、経営体質に嫌気が差し、このワイナリーを去ることにします。
彼自身、それまではビジネスとして、”売れる” ワインを醸造してきたわけですが、醸造家という立場にありながら、パーチナで行われている農業のあり方に非常に共感を覚え、そのブドウでワインを醸すことを決意します。それまでは量り売りないし桶売りしていたワインを、1987年からボトリングを開始します。