ピエール・ルッス
【インポーター情報】
ピエール ルッスは、ラングドック地方のカルカッソンヌの南に位置する(La Malepere村)で5Haの葡萄畑を所有しています。会って感じた印象は無口で控えめ、見ようによっては少し変わった人とも言えますが、仕事は早くて正確、実直そうな部分も感じました。
私たちが知るフランスのヴァン ナチュールの生産者の中でも、ひときわ個性的なワインを造る人物で、それ故に販売でもかなり苦労しているようです。しかし、しっかりと向き合いながら飲み進めると、実に魅力に溢れるものがあることを、きっとお分かりいただけると思います。
2001年、収穫を手伝っていた友人であるPechigo ペシゴのSylvain Saux シルヴァン ソーから、所有者が収穫しない区画に関する情報を得ました。その区画は農薬すら使用されておらず葡萄の木を抜く予定だったのですが、見学に行き、所有者に葡萄を収穫できるかどうかを尋ねて承諾を得ました。この収穫が初めての醸造に繋がりました。
とても無骨で冒険的な試みでしたが、バリック2樽で数百本のワインができましたし、このワインをとても誇りに思いました。
ブドウ畑
地中海性気候。ピレネー山脈の影響を受けてやや冷涼、多雨で湿度は南としては高め。
区画1 Villarzel ヴィラゼル
メルロー 1Ha 樹齢 約30年
標高300m 粘土石灰 南向き
最後の除草剤は2003年。前の所有者は化学農薬を使用していない。
ここの区画は厚く深いワインができる。
区画2 La Mothe ラ モス
11Haの土地のうち葡萄畑は4Ha。 樹齢 約18年
最初から有機、ビオディナミによる栽培。
標高175m 粘土石灰、やや北向きで冷涼、塩味を感じる区画。
醸造
これといって決まった方法はないが、明確に言えることは、このワインを構成しているものは純粋に葡萄だけであり、他のものは一切加えられていない。 醸造学の知識がとても豊富なタイプではないが、品種の個性もしくは地域性を表現することを意図してはおらず、ワインが全くの規格外で好まない人も多いだろうが、何からも束縛されない自由なワインである。
キュヴェの名前について
彼は、同じワインを毎年作り続けることを最初から考えていない。
年ごとに、ブドウのポテンシャルを最大限に引き出せるように栽培するよう努めている。
結果として共通の何かあるのかも知れないが、正確の異なるワインができていると思っているため同じ区画、同じアッサンブラージュであろうとも、キュヴェ名は毎回変えている。例として、SpumosumとMartingaleのブドウは同じ区画のシャルドネだが、ヴィンテージも性格も異なるため、違う名前を付けている。