テッセラールスダル
南アフリカではまだまだ珍しい黒人の血をひく女性醸造家ベリーヌ・サウルス女史が、2015年に初リリースを迎えた新進気鋭のワイナリーです。ワイナリー名の 「Tesselaarsdal/テッセラールスダル」とはベリーヌが生まれ育った小さな村の名前で、へメル・アン・アード・ヴァレーから北に24kmほどの場所に位置しています。この村の歴史は、黒人への差別が続いた南アフリカにおいては大変珍しく、18世紀末に東インド会社の一員としてこの地を治めていたヨハネス・テッセラールスダルが、1810年の彼の死後に、開放された奴隷たちのために土地を残したという記録があります。ベリーヌは、この数奇な歴史を持つ自分の故郷を愛し、そして誇りに思っており、満を持してワイナリー名にしたと言います。
彼女は高校を卒業後すぐに、19歳で老舗ワイナリーである、かの 『ハミルトン・ラッセル』 で事務職員として働き始めましたが、ワインの管理や輸出など多岐にわたる業務を受け持つうちに、自然とワイン造りに魅せられるようになりました。やがて管理職になり、ワインの奥深い歴史を体系的に学び、遂に醸造に携わるようになりました。そして遂に就業してから15年目に、ハミルトン・ラッセル当主のアンソニー氏をはじめ、チーム・ハミルトン・ラッセルのアシストのもと、ベリーヌは初のワインを造り上げました。醸造拠点は今も変わらずハミルトン・ラッセルに置き、へメル・アン・アード・リッジ地区の厳選した畑からブドウを仕入れています。
この地に一番適した品種はピノ・ノワールだと分析した結果、まずはピノ・ノワールから着手しましたが、好奇心旺盛でたいへんな勤勉家であるベリーヌは、遂に2019年からはシャルドネの初リリースを実現しました。そして将来的にはピノタージュを造ることも視野に入れ、今日も真摯に大地と向き合いながら畑と醸造所を行き来しています。
【産地】Hemel-en-Aarde Ridge/ヘメル・アン・アード・リッジ ※ケープ・サウス・コースト地方ウォーカーベイ地域の秀逸なW.Oで一年を通して海からの冷たい風の影響を受ける冷涼な銘醸地です。
【土壌】石が多く、鉄分を多く含んだ粘土質
【発酵】ステンレスタンクを使用し、過度な抽出はせずエレガントさを追求しています。
【熟成】フレンチオーク(228L)を使用し、新樽比率1/3ほどで、9~10カ月間