_and_____ 2021 Kiyo wines【日本　微発泡ワイン　ロゼ】

このワインは安藤 陸君を個人的に偲んでつくったワインになります。

2021年1月11日、彼は旅立ちました。陸君と僕とはそこまで長い付き合いではありませんでしたが、毎年8月末からの醸造期間の3ヶ月間を一つ屋根の下で一緒に過ごしました。それはそれは濃い日々でした。

毎日一緒にご飯を作って食べ、ワインを飲み明かして、時には不毛な恋愛話をしたり、Youtubeを見ながら大笑いしたり、家中を煙だらけにしながら七輪でBBQしたり、酔っ払って一緒にミスチルを大声で歌ったり、寝落ちした僕を毎回毎回布団まで運んでくれて、本当に掛け替えのない、忘れられない日々でした。

僕にとっては後輩であり、戦友であり、親友であり、弟のような存在の陸君。彼を想ってつくったワインです。

陸君のことを知っている皆さんも、彼との想い出を思い返すきっかけになってくれれば幸いです。陸君のいない2021年ヴィンテージが始まった時に、彼に捧げるワインをつくろうと決めていました。使用した原料は、陸君と僕の共通の友人である 武田信宏氏が丹精込めて育てたデラウェアを使いました。収穫後、全て除梗して解放型の樹脂タンクに入れ、その後僕は一切ぶどうに触りませんでした。その代わり、毎日タンクを両手で抱えながら「陸、お前が作ってくれよ」と話しかけて、ただひたすら発酵が完了するのを待ちました。43日後にストレーナーを入れ液体だけ取出し、5日後に澱引きして、デラウェアのジュースを加えボトリングしました。およそ3年の瓶内熟成を経てリリースです。

醸造段階でほとんど酸素に触れなかった為か、武田ノブ君のデラウェアの特徴である赤色が鮮明に残った綺麗なロゼ色に仕上がりました。いい意味でデラウェアっぽくない味わいにもなっています。
ワインのタグ掛けのデザインは、陸君が生前話していたデザインを心がけました。こだわりは、彼と親交が深い川崎町のコーヒーショップ Kuriya Coffee Roastes ( 栗谷 愛・ 栗谷 将晴) さんで取り扱っていた 富毛糸Tomieさんの毛糸の束です。毛糸の色は全部で５種類になります。そこに、かつて彼が修行していたNZのワイナリー（ケンブリッジロード）のデザインに似たタグを作成しネックに掛けました。

陸も気に入ってくれるといいなぁ。

自然酵母。亜硫酸無添加。アルコール11％ 生産本数315本