ナイマ・エ・ダヴィッド・ディドン
【湘南ワインセラーのコメント】
先日、インポーターさんが、『このワインは最初に花里さんに飲んでみてもらいたかったので。。。。』と言って、試飲ボトルを持ってきてくれました!!見た目も凄く良くて、飲む前から期待が膨らんだ『ナイマ・エ・ダヴィッド・ディドン』。
ヴォルネイの『ドメーヌ・モンティーユ』にビディナミを導入した栽培長である「ダヴィド・ディドン」が、『ドミニク・ドゥラン』と出会い、ナチュラルな醸造を体験して、自らのドメーヌをスタートすることに!!
最初に飲んだアリゴテの凄いこと!!!! 『ドーヴネとまでは言わないけど、このワイン凄いね!!』と、葡萄のパワーが詰まりまくったアリゴテに驚愕!!!薄く濁った液体からも、ナチュラルさが伝わってきましたが、実際に飲んでみると口の中で広がる液体のポテンシャルが凄い!!!
《あ~~これは、また凄い造り手が現れたな!!!》
と、続けてシャルドネを試飲し、さらにポテンシャルが高いシャルドネも、 外観は同じく薄濁りで、熟したリンゴのアロマが爆発!!!これは凄い!!!そしてピノ・ノワールは、パカレが造っていた時のサーブルを思い出すような「薄旨・濁り・ゆるっと癒し」。全房発酵で淡い液体なのですが、何よりもやはり葡萄のパワーが凄い!!!
こういうワインを飲んでしまうと、はやりナチュラルなワインが持つ魅力に魅せられるというか、グランヴァン的な大御所とは違った魅力にハマります。その先駆けとなったのが『フィリップ・パカレ』だったのかもしれません。
現在も自分のドメーヌの運営を行いながら『モンティーユ』で働いているヴィッド・ディドン。『ドミニク・ドゥラン』とその弟子のジュリアンと共に、ビオディナミの調剤の研究を行い、酸化防止剤に頼らない自然で昔ながらの醸造を体験していき、2016年に自宅のガレージでワイン造りを開始しました。
彼らが買い取った畑は1947~1960年に植えられた葡萄樹の畑で所有者は95歳のお爺さんでしたが、手間やリスクの大きい、マッサルセレクションを実施していたお陰で素晴らしいクローンが残っていたのです。
今回、日本での初リリースですが、ブレのないヴァンナチュール的な位置づけで、注目度がすごいことになっています!! ドーヴネとまでは言わないけど。。。凄いぞ!と思ったのも、ビオや酸化防止剤の影響だけでなく、樹齢の高さやマッサルセレクションによる素晴らしいクローンの影響もあってのこと。。。。
いろいろな意味で、これまでの経験値の高さから素晴らしい条件の揃ったドメーヌの誕生です!!!
【インポーター情報】
◆モンティーユで働きながら
そんな彼が遂に、自らのワインをリリース!畑はサントネイから東に5km進んだシャセイ・ル・カン村。人口80人の小さなのどかな村でブルゴーニュしか名乗れない地域ですが、土壌はジュラ紀の粘土石灰。しかも周囲は森に囲まれ、生物多様性が確保されているので土壌自体も活性化しています。 彼が購入した畑の前所有者は95歳の農民ジョニエさん。彼はマッサルセレクションなどという技術も無い頃から独自のマッサルセレクションを行い、シャルドネ、アリゴテ、ピノ・ノワールを2haの一枚畑で育ててきましたが、流石に年齢には勝てず、近年は荒廃してました。
◆ビオディナミのスペシャリスト
この畑をダヴィドは購入。ビオディナミで畑を再生し、2017年、遂に奥様ナイマと共に「ナイマ・エ・ダヴィド・ディドン」としてワインをリリースしました。醸造は伝統的スタイル。種まで完熟した葡萄を全房で発酵。質素なエナメルタンクとかなり古いセメントタンクで発酵。マセラシオンは2017年の果皮は柔らかかったので短めに。熟成は古いトノーで9ヶ月。その後、アッサンブラージュして休ませました。
アッサンブラージュ前の最終段階で試飲してきましたが、久し振りの大物感に驚きました。アントワンヌ・リエナルトのワインは生っぽく、よりナチュラル寄りで跳ねるような躍動感で還元寄り。ジャン・バティスト・ブーディエはより正確で美しい均整の取れた味わいで酸化寄りでしょうか。
◆初ヴィンテージ
ダヴィドのワインは2人の中間のような立ち位置で90年代のパカレのような梅っぽさも感じます。ブルゴーニュの新しいスターになるかもしれないダヴィドのワイン。ぜひ、体験して下さい!