シラー再発見の日。
2025.10.30
先月入荷した『フォン・シプレ』の「S」を試飲したのですが……
正直、びっくりしました。
あ・り・え・ま・せ・ん・!!!
3千円台前半のワインで、ここまで完成されているとは。
レティシア・トロシャン、ほんとうに真面目すぎます(笑)
師匠のフレデリック・コサールが「彼女はセンスがある」と言っていたのも納得。
でも実際に味わってみると、“センスがある”なんて一言ではとても足りません。
感性の塊――そんな表現の方がしっくりきます。
スタッフの間でも話題になるのは、「G」は毎年安定してるけど「S」は年によって印象が変わること。
今年はどうだろう?と、半分ワクワクしながらも、半分は怖い気持ちでボトルを開けた瞬間、
空気が一瞬で変わりました。
グラスの中に広がったのは、黒くて艶のある液体。
カシスやシダー、湿った土、ブラックペッパー。
典型的なシラーの香りだけど、どこか柔らかくて、すでに調和がとれている。
そして、ひと口飲んだ瞬間――全員が無言。
「これ、上のキュヴェ詰めてない?」と思うほどの格違い。
濃密なのに艶やか。
熟度と酸のバランス、立体感のあるボディ。
すべてが完璧な球体のようにまとまり、すっと喉を通っていく。
まるで、今がちょうど飲み頃のクローズ・エルミタージュを味わっているかのようでした。
私はこれまで、シラーという葡萄に「ストイックな美しさ」を感じてきました。
力強く、緊張感があり、人を寄せつけないような冷たさもある。
でも、この『S』には、それだけではない魅力がありました。
濃厚なのに透明感がある。
エレガントで、どこか清楚。
ピノ・ノワールのような繊細さすら感じさせるのです。
近年、温暖化によって完熟した葡萄の恩恵を受けたヴィンテージも多く、
この「S」にはその恵みがしっかりと表れています。
土壌の旨味やミネラルが詰まったような、奥行きのある味わい。
シラーって、ただ“濃い赤”ではなく、
心に響く深さと余韻を持っている品種なんだと、改めて実感しました。
ピノ好きの方にも、ぜひ一度試してほしい。
エレガンスと情熱、その両方を併せ持つシラーの魅力に、
きっと新しい扉が開くと思います。
――今年の『フォン・シプレ S』は、間違いなく大傑作。
そして、私にとって“シラー再発見の1本”になりました。
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