シスト[2018]ジェントル・フォーク【オーストラリア　自然派　白ワイン】

【シスト】
彼の素晴らしい点は寡黙で一切の手抜きをしない完全なる職人気質にあると常々感じております。パッと見て不愛想でドワーフの様な彼ですが、畑へのケアは何も怠る事が無く、大小問わず全ヴィンヤードを完璧なオーガニック プラクティスで運営しています。

「シスト土壌を覆う砂質土壌」と聞けばJAUMAがフルーツを得る【マクラーレン ヴェール】を思い起こす方も多いかも知れません。このSchistはMcLaren Valeから続く丘の延長戦上に位置する、Adelaide Hillsで尾根上に広がる古い畑。Garethはこの畑を3年前に購入し、その時から全てをオーガニックに切り替えました。

過去2年は収穫したフルーツは全て大手ワイナリーに販売。3年目にして漸く醸造に取り掛かったSauvignon Blanc100%の新しいキュヴェとなります。元々樹齢は25年と理想的。マシン収穫用の仕立てだった樹々を全てプルーニングし直る所から始まり、1年目は土を入れ替える為に、海藻を含めたコンポストの投入等から谷底の砂を新たに入れ、生態系から生まれ変わる様に努力を重ねたそうです。

収穫したフルーツの半分は全房プレス、残りは除梗して同じタンクで4日のスキンコンタクト。発酵が始まって間もない内に500ℓの古いパンションへと移し熟成まで放置したとの事。

レモンゼストとフリンティなスモークネス、Adelaide Hillsの典型的Sauvignon Blancのスグリや青リンゴ、グースベリーといった香りは皆無で、むしろフランスのLoireを連想させる味わいに満ちています。本当、安心して飲めてしまうクラシックなスタイルですね。美味です。