NOB’s Fields[2021]武田信宏【日本　宮城県　赤ワイン】

【武田さんのコメント】
＜データ＞
ブドウ産地　山形県東置賜郡高畠町産
・メルロー　85%
レインカット栽培
除草剤、化学肥料不使用
使用農薬　石灰硫黄合剤、ボルドー液（園芸ボルドー）、コロマイト水和剤（JAS有機対応殺ダニ剤）使用肥料　魚エキス、もみ殻牛糞堆肥
・カベルネフラン　15%
露地栽培
除草剤、殺虫剤、化学肥料不使用
使用農薬　石灰硫黄合剤、ボルドー液（園芸ボルドー,icボルドー66d）
使用肥料　なし
アルコール　13%
醸造所　Fattoria AL FIORE(宮城県)

<商品説明>
私が栽培したブドウを原料とし、宮城県のFattoria AL FIOREにて委託醸造したワインになります。ワインのお世話も醸造所のアドバイスを受けながら自分で行いました。小さなブドウ農家の民芸品です。21年は9月の天候に恵まれメルローにとってとても良いヴィンテージとなりましたが、農薬を使用しないダニ対策はうまくいきませんでした。

7月の梅雨明けからダニと高温対策として酢やニガリの葉面散布を定期的に行っていましたが、ダニの勢力が少し広がってしまったため、殺ダニ剤(JAS有機対応農薬)を使用しました。レインカット栽培であること、土壌の問題から農薬を使用しないダニ対策はなかなか難しいように感じています(翌年の22年は粘着系の液体を撒いてダニを窒息させる作戦でいきましたが、失敗してダニが蔓延しブドウ熟さず...)。21年は早めのダニ対策のおかげで光合成が落ちることなくブドウを熟させることができました。

除梗破砕したメルローに、メルローの畑でおこした酵母を添加して開放タンクにて発酵させています。発酵中盤で発酵に元気がなくなってきたため、自園で試験的に栽培していたカベルネフランを添加することで発酵を活発化させました。発酵途中にタンニンの抽出具合をみてプレスし、発酵終了までジュースにて発酵。発酵終了後アンフォラにて６か月熟成させボトリングしました。

抜栓直後や温度の低い状態ではカベルネフラン由来の青さが目立ちますが、時間の経過、温度の上昇とともにメルローの果実味がひろがってきます。偶然の産物ですがふくよかなメルローの果実味にカベルネフランの酸と青い香りが合わさりワインの味わいを引き締めています。約１年半の熟成にて少しタンニンがこなれてきましたが、もう数年寝かせることでよりなめらかな味わいになると思います。

魚の煮つけ、すき焼き（特に味の染みた春菊）等醬油系の料理と相性が良い様に感じています。抜栓してから数日はお飲みいただけますのでゆっくりとワインの変化をお楽しみいただけたらと思います。