フィサン[2023]ベルトー・ジェルベ【フランス　ブルゴーニュ　赤ワイン】

【フィサン】
葡萄：ピノ・ノワール 　　収穫：2023年9月6日～15日
畑・土壌：3.6ヘクタール　Clos du Village、Fixey、Aux Prés、La Sorgentière４区画のアッサンブラージュ。石灰岩、泥灰土　　
樹齢：平均30～40年
醸造：４日間低温マセラシオン、天然酵母、コンクリートタンクでアルコール発酵。 １日に１～２度のルモンタージュ。発酵の最後のみピジャージュ。ポスト・マセラシオン（発酵後浸漬）５日間。
熟成：木樽でマロラクティック発酵。12カ月熟成。新樽０％。濾過・清澄せず。

外観は決して熱量のヴィンテージを思わせない『濃さ』を感じさせない色調。 波打つような赤い果実のグラデーションに一滴、黒の果実を垂らしたようなイメージ。 『Fixinの本質はエレガンス』と言い続けてきたアメリーがこの数年到達したのは Gevrey Chambertin的な芯のある構造にChambolle Musigny的な綿菓子の果実を纏わせる着地なのかもしれません。 抜栓直後、口に含んだ瞬間は漬け込んだシナモンと涼し気な酸から果実が静かなアタック。 芯の硬さを感じるトーン。未熟ではなくしっかりと土地の風景を描くような酸味。 そしてその美しい酸味が目立つことなく余韻の風景の向こう側に広がる果実を残像としてしっかりと捉えています。

 淡い陽射しが描く輪郭の朧げな影のようなグラデーション。 縦横の構成がしっかりとしていながらも、寺院の建造のような威圧感を与えない構造美。 ぱちぱちと爆ぜて消えた花火の残像を火薬の香りで光の瞬きを思い出すような錯覚にも似た余韻。 二日目、酸と果実が内側に収縮していき余韻の開放感がグッと増していきます。 ケース購入出来る価格ではなくなってしまったけども、個人的に数本買って年月を重ねて飲んでみたい完成度になりました。 （2025年9月インポーター）

●89-91 points Neal Martin (Vinous):
●88-91 points Allen Meadows (Burghound):
●90 points Jasper Morris, MW (Inside Burgundy):

【リアルワインガイド83号】91+点(2022年ヴィンテージの評価)
いつもは黒果実主体だが21年は赤黒果実の香り。それが優しくふんわりとグラスから立ち昇る。複雑でエレガントないい香りだわ。口に含むと、あ～美味しい。香り同様ふんわりと優しい液体は柔らかいミネラル感があり、とても滑らか。実にブルゴーニュしている。味は美しく伸びる酸に適切な果実味で、味わい深くてうま味もしっかり。これもベルトー・ジェルベ＋21年ヴィンテージだ。



【湘南ワインセラーのコメント】
２０２０年以降、劇的な進化を遂げ、ブルゴーニュ愛好家を驚愕させたドメーヌ『ベルトー・ジェルベ』。その変貌の中心にいるのが、栽培長であり、アメリーの伴侶でもある ニコラ・フォール です。

本日は待望の２０２３年がオルヴォーさんから入荷しました。

ブルゴーニュ価格高騰の中ではありますが、この価格なら数本づつ、じっくり味わいたい！！とおもう価格に収まっているのが嬉しい！！

ブルゴーニュの未来を切り拓く才能 ― ニコラ・フォール。かつてはＤＲＣ（ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ）で研鑽を積み、その後、あのプリューレ・ロックに引き抜かれた稀有な才能。彼の経験とセンス、そして揺るぎない哲学が、ジェルベ家の畑のポテンシャルと出会い、今の『ベルトー・ジェルベ』を唯一無二の存在へと押し上げています。

現地では「豊作」と言われる2023年ですが、アメリーとニコラは決して量に走らず、あえて初めてのグリーンハーヴェストを断行。わずかな病果すら容赦なく取り除き、ただひたすらに「完璧な成熟」を追い求めました。その徹底した姿勢こそが、彼らの真価を物語っています。

価格高騰が続くブルゴーニュの中にあっても、この品質でこの価格に収まっていることは奇跡と言えるでしょう。

2023年の入荷は２度に分けて日本に届く予定となっております。村名ヴォーヌ・ロマネ１級や特級のワインは次回入荷となります。2024年は生産本数減少と日本への輸入量の激減が確実視されていますのでこのことを頭に入れてご検討いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。