ピノ・グリ・ラティピック[2019]サトウ・ワインズ【ニュージーランド　自然派　オレンジワイン】

【ピノ・グリ・ラティピック】
しっかりとしたフェノールを感じるスタイル。カリンや完熟リンゴなどのフルーツに少しシェリーのような酸化熟成の魅力が加わり、旨味に底打ちされたテクスチャーは非常に個性的（オフ・フレーヴァーはありません）。フードペアリングにおいてはこのワインならではの魅力が存分に発揮されるはず。

【ワインレポート/ 山本昭彦】(2018年ヴィンテージの評価)
オレンジを帯びたロゼに近い色調、クラッシュしたバラ、レッドチェリー、ローズヒップ、烏龍茶、グリップのあるタンニン、引き締まったテクスチャー。甘やかで、フレッシュな酸、ボトムの安定感がある。うまみの乗ったほろ苦みのあるフルボディ。ソルティなフィニッシュ。色調、アロマ、酸、フェノールのバランスがとれたこれもシリアスなオレンジワイン。亜硫酸は20mg/Lの添加。14.2%。3012本。90点

スキンコンタクトを学ぶため、2012年にイタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジューリアとシチリアに研修に出かけた。細部をゆるがせにしない佐藤夫妻らしい。

「糖の上昇と酸の下降が早く、ワインにするとどうしてもフラットな印象のワインになりがち。高いアルコールと比較的低めの酸、ボリュームのある果実味すべてをうまくバランスさせる方法を考えてきた。醸し発酵により、果皮から抽出されるタンニンが、果実味や酸をうまくサポートしてくれます」

ピノ・グリの面白さである果皮の色調が、普通のプレスではうまく出ないが、醸しによって果皮本来の濃いオレンジピンク色を呈するようになったという。タンニンを柔らかくするため、ピノ・ノワールとほぼ同じ20か月間のフレンチオーク熟成を行っている。